冷え性なのにのぼせる?「冷えのぼせ」について

普段は冷え性で手足がすぐに冷たくなってなかなか温かくならなくて困るくらいなのに、時々顔や頭がのぼせたようになって、ぼーっとしてしまうことはありませんか?
のぼせは顔や頭に血が集まっている状態で、一見血行が良くなって冷え性が改善されているかのように見えます。
しかし、手足は冷えたままなのに頭や顔だけほてったように感じているのなら、それは注意が必要です。
なぜなら冷え性が悪化している可能性があるからです。
今日は冷え性なのにのぼせが起こる症状について調べました。
Contents
なぜのぼせは起こる?
のぼせの原因にはこんなものが考えられます。
お風呂上りや外気温の高さ
体が温まり、血管が拡張している状態になり、ふらつきを感じたり、めまいを感じたりします。
熱中症もこれに含まれますが、この場合は外的要因による一時的なものなので、原因になる事項を取り除いてあげれば解決します。
(例えば、涼しく風通しのよいところで休む、冷たいものを食べる、飲むなど。お風呂などでのぼせた場合は脱水症状を起こす可能性があるので、水分補給をしっかりすること)
ホルモンバランスの乱れ
女性ホルモンのバランスが崩れることで、自立神経に乱れが起こり、のぼせを引き起こすことがあります。
PMSや更年期障害などで起こるのぼせがこれに当てはまります。
緊張やストレス
緊張すると顔が赤くなるという人がいるので、なんとなくのぼせやほてりとの関連は想像できる気がします。
しかし、緊張やストレスによって起こるのぼせも元をたどれば、緊張やストレスが自律神経に影響を及ぼしているからだそうで、結局のところ自律神経の調子がうまくいっていない状態です。
緊張やストレスによってほてりやのぼせを繰り返すことで、自律神経の乱れが慢性化し、のぼせやほてりの症状を起こしやすくなるという悪循環に陥ります。
感染症などの病気
風邪の引き始めなど感染症の初期症状でのぼせが表れる場合があります。
そのほか、自律神経失調症やバセドウ病(甲状腺機能亢進症)、高血圧などの病気によってのぼせやほてりの症状が出ている場合があります。
病気の場合はのぼせ以外にも不調が表れている場合が多いので、当てはまるものがある場合は要注意です。
自律神経失調症
名前の通り、自律神経の調子が悪いわけで、のぼせ以外に精神的に不安定になったり、体がだるい、頭痛、眠れないなど様々な症状が表れます。
バセドウ病
甲状腺ホルモンの分泌異常によって起こる病気です。眼球突出や動悸、手の震え、大量に汗をかくなどの症状があります。
高血圧
遺伝性のものもありますが、生活習慣病の一つであり、太り過ぎや塩分過多な食事によって起こる病気です。
のぼせやほてりの他に頭痛やめまいを起こし、悪化すると脳卒中や腎障害など命にかかわる病気を引き起こします。
冷えのぼせの状態
「頭寒足熱(ずかんそくねつ)」という四字熟語があるのをご存知でしょうか?
字のままの意味で頭を冷たく、足元を温かくするのが体にいいぞという言葉なわけですが、手足は冷えているのに頭はのぼせているという状態はこの真逆を言っているわけです。
(慣用句などでも「頭を冷やす」「頭に血がのぼる」などの言葉がありますが、これも頭に熱がこもっていると良いことはないと言っているんですね。)
冒頭にも書いた「手足が冷えて頭や顔にのぼせやほてりを感じる状態」が「冷えのぼせ」です。
これは冷え性が悪化し、自律神経が乱れて、体温調節がうまくいかなくなっている状態です。
自律神経が乱れると生理前のPMSや生理痛の原因になります。
冷えのぼせの症状に思い当たる節があるのなら、できる限り早い対処が必要です。
冷えのぼせの治し方
冷え性が悪化して起こる冷えのぼせはまず、冷えから改善するべきなのだそうです。
理由は体の冷えによって血液循環が滞り、体の上部にだけ血液が溜まった状態なので、冷えを解消して、体全体の血液がスムーズに動くようにしてあげる必要があるということです。
(冷たい空気が下、暑い空気が上に行くように血液も同じようなところがあるのでしょうか。)
冷えのぼせは冷えている部分と熱くなっている部分両方が1度に存在するので、温めつつも冷やすということをしなければならず、対処が少し面倒ですが、放置すると冷え性は悪化するばかりです。
特に足元についてはツボがたくさんあり、温めると冷えの解消に効果的なので、靴下を履く、ひざ掛けを使うなど冷えにくくする工夫をしましょう。
のぼせに効く漢方
のぼせに効く漢方は
- 桂枝茯苓丸(けいしぶくりょうがん)
- 桃核承気湯(とうかくじょうきとう)
- 当帰建中湯(とうきけんちゅうとう)
があります。いずれも血行を良くしたり、ホルモンバランスを整えたりする効果の漢方です。
のぼせの他に肩こりや頭痛にも効果があります。
体を温める食べ物を
体の冷えを改善するには、体の内部から温めるのも有効です。
特に暑い季節は冷たいものばかりを飲みがちですが、あえて温かい飲み物を飲むことで体の内側から冷えを改善することができます。
白湯、お茶、お味噌汁なんでも良いので温かい飲み物を少なくとも1日1回程度は口にするようにしたいですね。
しょうがなどの香辛料を使うのも体を温めるのに効果的です。
冷えのぼせの人が控えた方がよいこと
冷えのぼせの人は体をとにかく冷やさないようにする必要があるので、上記の他、甘いものやアルコール、カフェインなどは控える方がよいでしょう。
まとめ
- 冷え性が悪化して、自律神経が乱れた状態で起こるのが冷えのぼせ
- 冷えのぼせの改善には冷えから対処し、体を温める必要がある