眠れないときの薬について~睡眠導入剤と睡眠改善薬の違い他~

考え事をしている時や体が冷えている時などはなかなか眠れないことがあります。
眠れない時の対処法として睡眠薬を飲むということも手段の一つです。
今回は眠れない時に飲む薬についてまとめます。
Contents
「眠れない」症状について
「眠れない」というと考え事をしていて眠ることができない、眠いのに寝られない、寝ようと思っているのに眠ることができないなど、寝つきが悪いことをイメージする方が多いように思います。
しかし、眠れないという症状には
- 睡眠時間は確保しているのに寝た気がしない
- 眠っている途中に目が覚めてしまう
なども含まれています。
睡眠薬、眠れない時に飲む薬というと眠気を誘うものをイメージしますが、寝付きが悪い以外の「眠れない」症状も薬を飲むことで改善することが可能です。
眠れない時に飲む薬:種類
眠れない時に飲む薬というと
睡眠薬
という名前が浮かぶと思います。しかし実際には眠れない時に飲む薬には
- 睡眠導入剤
- 睡眠改善薬
の2つがあります。
睡眠導入剤と睡眠改善薬の違い
睡眠導入剤はいわゆる睡眠薬のことだそうです。本来、睡眠改善薬は睡眠薬ではないということになります。
睡眠導入剤と睡眠改善薬の違いは
- 目的
- 入手先
- 効果の出方
にあります。
睡眠導入剤は3日以上など眠れない症状が継続して続いている不眠症の方が飲むものであり、病院で処方されなければ手に入れることが出来ないものです。(海外通販などで購入できる場合もあります。)
対して睡眠改善薬は一時的に眠れない症状が出たときに飲むもので、ドラッグストア等のお店で市販されています。
効果は睡眠導入剤の方が強く、睡眠改善薬の方が比較的ゆるやかに効果が出るようです。
眠れない時に飲む薬:病院で処方してもらう薬
睡眠導入剤
先日、心療内科に人生で初めて行きました。
その時に
- 考え事をすると動悸がして眠れないことがある
- 寝ている途中で目が覚めることがある
と話したところ、頓服で睡眠導入剤を処方していただきました。
その時に先生から「寝つきを良くする薬」と「寝ている途中で目が覚めないようにする薬」のどちらがよいですか?と聞かれて、
寝ている途中で目が覚めないようにする薬
をお願いしました。が、薬の袋には「寝つきをよくする」と「熟睡できるようにする」の両方の文言が書かれているので、正しいものを渡されたのかどうか判断が付きません。(疑うのも失礼ですけど)
私は睡眠導入剤を使用するのが初めてだったので、一番小さいものの半分で処方していただきました。
私自身あまり薬を使用したいと思っていませんし、病院の治療方針も薬をなるべく使わないとのことでしたので、ちょうどよかった気もします。
睡眠導入剤の種類
病院で処方される睡眠導入剤は効果の持続時間で種類が分かれるようです。
- 超短時間作用型
- 短時間作用型
- 中時間作用型
- 長時間作用型
私が処方された睡眠導入剤は中時間作用型でした。まさに寝ている途中で目が覚めるときに処方されてますね。種類の分け方が持続時間によってということは睡眠導入剤にも眠りにつきやすくする効果はあるようです。
睡眠導入剤服用の注意点
睡眠導入剤を使用する時は医師していの用法用量を守るようにしてください。強い薬ほど体に影響が強く悪影響を及ぼすリスクもあがります。たくさん飲めばよいわけでもないので、不安だからといってむやにやたらに飲まないようにしてください。
眠れないときに飲む薬:市販薬
睡眠改善薬
睡眠改善薬はコマーシャルで流れていたこともあります。「ドリエル」などは名前を聞いたことがある人も多いのではないでしょうか?
睡眠改善薬について調べてみたら、思った以上に種類があって驚きました。
睡眠改善薬にもタイプがあり、大別して
- 抗ヒスタミン剤配合系
- 漢方系
があるようです。
抗ヒスタミン剤配合の睡眠改善薬
ヒスタミンというのは脳内の神経伝達物質のことです。ヒスタミンは覚醒作用があるため、このヒスタミンの伝達を防ぐ成分であるジフェンヒドラミンが作用して眠気がくるようになります。
花粉症の薬や風邪薬を飲んだとき、眠くてどうしようもなくなった経験はありませんか?実は花粉症の薬や風邪薬も抗ヒスタミン作用が働いているために眠くなってしまうそうです。
抗ヒスタミン剤配合の睡眠改善薬の副作用
花粉症の薬や風邪薬と同じ原理で眠くなると聞いて、どんな副作用があるのかピンときた人もいるのではないでしょうか。
花粉症の薬や風邪薬を飲むと妙に喉が渇くということがあると思います。睡眠改善薬を服用した際も同様の副作用が現れる可能性があります。
それ以外の副作用としてめまいや吐き気、日中の眠気なども現れる可能性があるようです。
睡眠改善薬は一時的な不眠に効果がある薬なので、常用するための薬ではありません。花粉症や風邪薬と同様に治ったら飲まないものなので、毎日飲むのに適した薬ではないということを頭に入れておいてください。
漢方系睡眠改善薬
漢方系の睡眠改善薬には
- 救心製薬/ホスロール
- 全薬工業/アロパノール
- クラシエ/柴胡加竜骨牡蛎湯(さいこかりゅうこつぼれいとう)
- クラシエ/加味帰脾湯(かみきひとう)
などがあります。
抗ヒスタミン剤配合の睡眠改善薬と異なるのは1日3回服用する必要があることです。漢方は効き目がゆっくり出るものであり、即効性があるものではありません。今日、すぐ眠れるようになりたいというときには漢方系の睡眠改善薬は不向きなので、購入の際はうっかり漢方系を買わないようにしてください。
不眠症状を根本的に治したいというときにおすすめなのが漢方系の睡眠改善薬です。
眠れない時に飲む薬:サプリメント
サプリメントは厳密に言えば薬ではありません。しかし睡眠導入剤も睡眠改善薬も使いすぎはよくないものです。
睡眠薬がないと眠れない、不安という状態になってしまうと心にも体にも悪影響を与えます。サプリメントで体に必要な栄養を補給しながら睡眠の悩みを解消するという方法も選択肢の一つとして考えておいても良いのではないでしょうか。
コマーシャルなどで見たことがある方もいると思うのですが、「グッスミン」は快眠サプリメントの一つです。
その他にも自然の素材を成分としている快眠サプリメントはあるので、チェックしてみるのもおすすめです。
睡眠ホルモン「メラトニン」のサプリメントもあります。
睡眠導入剤を飲んでみた
病院でもらった睡眠導入剤を飲んでみることにしました。考え事をしていたら動悸が始まり、寝付けそうになかったからです。
初めて睡眠導入剤を飲んだ日は30分か1時間くらいあとに眠気とだるさがやってきて、あ、今なら眠れるという状態になりました。
睡眠導入剤を飲む前は翌朝起きられなかったらどうしようと心配していたのですが、薬の量が少ないせいか、朝もスッキリ起きられました。
病院の先生からは薬の効果がなかったり、合わなかったりということがあれば薬を変えていきましょうという説明されていましたが、今のところはこの薬で問題はなさそうです。
しかし、この睡眠導入剤と抗不安薬を飲み始めてから下腹部痛が気になるようになりました。排卵期なので、PMSではないし少し心配です。
ストレスによる体調不良なのか、それとも薬の影響なのか判断がつきにくいのが気になります。
最近、普通に眠ると仕事の夢を見ることが多かったのですが、睡眠導入剤を飲んで眠った時は夢を見なかったような気がします。
朝もすっきり目が覚めたし、その効果はありがたいのですが、体調面のことを考えたら薬の常用はしたくないと思いました。
眠れないからといって薬に頼りすぎるのは要注意
寝たいのに眠ることができないというのは辛いものです。そのためあ、薬を飲むことで気持ちが楽になるのなら短期間なら問題ありません。
しかし、睡眠導入剤や睡眠改善薬のいずれも対処療法に過ぎず、眠れない根本の原因を解決できているわけではありません。
眠れないからといって薬だけを頼りにするのではなく、
自分自身が眠れるようになるにはどうしたらよいのか
ということを考えるのが大切なのだと思います。
眠れる生活を送るためのポイント
私も時々、眠れないと感じることはありますが、可能な限り薬には頼りたくないなと思っています。
毎日の中で自然に眠れる生活を送るためのコツには以下が挙げられます。
- 就寝時間を揃える
- カフェインを控える
- 運動をする
- お風呂に入る
- 寝る数時間前から照明を落としておく
- 寝る前のスマホ・パソコンを控える
就寝時間を揃える
生活リズムを整えた方が良いとはよく言われますが、睡眠に関しても同じことが言えます。
眠くなったかどうかを判断基準にするのではなく、眠る時間になったから寝るということを意識しておくと、そのうち自然に眠れるようになってきます。
カフェインを控える
カフェインは覚醒作用があるため、眠りの妨げになる場合があります。私は普段からカフェインを控える生活をしているので、少しカフェインをとっただけでも夜眠れなくなる場合があります。
そうなると翌日、日中に眠気がきてカフェインをとって、また夜眠れなくてという悪循環になるため、カフェインを摂るタイミングなどを気をつけています。
カカオ含有量の多いチョコレートもカフェインを含むため、チョコレートの食べ過ぎも要注意です。
カフェインを摂るなら午前中にする、コーヒー1杯だけにしておくなどで対策が出来ます。
運動をする
昼間に運動をすることで適度に疲れてよく眠れる場合があります。一度の睡眠で回復できないほど疲れるのは問題ですが、ウォーキングやサイクリングなど自分のペースで出来る運動を日常に取り入れるのをおすすめします。
お風呂に入る
お風呂に入って体温が上がることで眠りにつきやすくなる効果があります。冷え性の人などは手足が冷たくて眠ることができないと感じることも少なくないと思うので、冬は特にお風呂に入るのがおすすめです。
入浴剤の中には眠りにつきやすくなる効果があるものもあるので、それらを試してみるのもよいと思います。
寝る数時間前から照明を落としておく
部屋をずっと明るい状態にしておくと、なかなか眠る気にならないことがあります。
夜寝る直前ではなく少し前から照明を落としておき、眠る準備をすると自然に眠くなりやすいようです。
暖色系の間接照明やアロマキャンドルなど柔らかい光にするとリラックス効果も高まります。
寝る前のスマホやパソコンを控える
部屋の照明を落としても、スマホやパソコンで顔に光が当たっていたらあまり意味がありません。
眠る前はついついスマホやパソコンを触ってしまうという人が少なくないと思うので、眠る前は電源を落とすよう習慣付けるのもおすすめです。
まとめ
- 眠ることができない、途中で目が覚めてしまう、しっかり眠った気がしないなどの症状を薬によって改善出来る可能性がある
- 眠れないときに飲む薬には「睡眠導入剤」と「睡眠改善薬」がある
- 睡眠導入剤は病院で処方されるもの、睡眠改善薬は市販されているもの
- 睡眠改善薬には抗ヒスタミン剤配合のものと漢方を使ったものがある