早朝覚醒と睡眠薬について~薬に頼らない早朝覚醒の改善方法~

最近、なぜか朝4時ごろに目が覚めてしまいます。朝4時となると活動し始めるのには早いし、もう一度熟睡するには短いしで毎回二度寝を繰り返してだらだらしてしまいます。
どうせなら活動開始時間にぴったり目が覚めてくれればいいものを、なかなかうまくいかないものです。
不眠症の一つに
早朝覚醒
というものがあります。
不眠症というと夜眠れないというイメージが強いですが、私が感じている朝早い時間に目が覚めてしまうのも不眠症状の一つです。
Yahoo!知恵袋を見ていたら、「明け方3時ごろに目が覚めてしまう」「朝4時頃に目が覚めて困る」というような相談事が上がっていたので、特別珍しい症状でもないようです。しかし、本人にとってはけして小さい悩みで片付けられる問題ではありません。
不眠症状が続いても直接死因につながるわけではありませんが、いろいろなトラブルに見舞われます。
(不眠が続くことによって起こるトラブルについてはこちらにも書いています。
できればなるべく早く不眠症状を改善したいと思うのは普通のことです。
一番早く対処する方法として、不眠症状を感じたとき、睡眠薬を飲むという方法があります。
(睡眠薬についてはこちらにも書いています。
→眠れないときの薬について~睡眠導入剤と睡眠改善薬の違い他~)
今回は不眠症状の一つである早朝覚醒と睡眠薬についてまとめます。
Contents
早朝覚醒の原因
早朝覚醒の原因は
- 加齢
- ストレス
などが考えられます。
加齢による早朝覚醒
「お年寄りは早寝早起き」「寝るのにも体力がいる」なんて話を聞いたことがありませんか?
これは冗談でもなんでもない事実なのだそうです。
実際、40代以降になると熟睡できることが少なくなり、睡眠の質が低下し始めます。そして50代を超えると早朝覚醒などの不眠症状に悩む人が増えてくるそうです。
- 加齢によって活動量が減り、必要な睡眠時間が少なくなる
- 睡眠ホルモンであるメラトニンの分泌が減少する
- 頻尿で目が覚める
- 最高体温の変化
- 体温の上昇サイクルのずれ
などの原因が考えられます。
早朝覚醒によって日常生活に支障が出ている場合は対策が必要ですが、基本的には加齢による自然なことなので避けられないもののようです。
ストレスが原因の早朝覚醒
20代~30代前半の場合、加齢で早朝覚醒が起きているとは考えにくいです。
そのためストレスなどが原因で早朝覚醒が起きている可能性があります。うつ症状が出ているときも早朝覚醒になることがあるため、なるべく早く専門の病院を受診しましょう。
ストレスやうつで睡眠に現れる症状は早朝覚醒だけではなく、過眠症状に現れることもあります。早朝覚醒だから絶対にうつということでもないので、ご安心ください。(適応障害や自律神経失調症なども考えられます。)
睡眠薬とはどういうものか
私が睡眠薬を使うに至った経緯
昨年末、心療内科で明け方に目が覚めるという話をしたら先生が睡眠導入剤を処方してくれました。
今までの人生であまり睡眠について悩んだことがなかったので、睡眠導入剤を飲むことも当然初めての経験。
(睡眠に悩むというよりは心療内科などで睡眠について相談したことがなかったというのが本当のところかもしれませんが、、。)
それまで私が持っていた睡眠薬のイメージは大量に飲むと昏睡状態に陥るとか、朝起きられない、夢見が悪いというようなかなり偏ったものだったので、睡眠導入剤を飲むことに対して不安な気持ちがかなり強かったです。
しかし、明け方に目が覚めてしまうのをどうにかして改善したかったので薬に頼ることになったのでした。
かかった心療内科の方針上、薬の使用をなるべく控えるようになっており、処方してもらった薬も一番小さな錠剤をさらに半分にしたものだったので、不安感が少し軽減できたというのもあります。
睡眠薬とはどういうものなのか
睡眠薬は夜眠るときに感じる緊張や不安をほぐし、入眠を助ける効果があるため睡眠薬と呼ばれています。睡眠という名前で呼ばれてはいるものの、日常生活の中で自然に眠るのとはまったく異なります。
睡眠薬を飲んだときに感じる眠気は薬の作用で強制的に意識を失いかけている状態のようです。働きとしては麻酔と同じようなものなので、薬が切れたときに違和感を感じることも少なくありません。
睡眠薬を飲んで、早朝覚醒を改善する
睡眠薬には持続時間によって種類が分かれています。短時間型、中時間型、長時間型とありますが、寝ている途中で目が覚めてしまう中途覚醒や明け方に目が覚める早朝覚醒に効果があるのは中時間型と長時間型なのだそうです。
→眠れないときの薬について~睡眠導入剤と睡眠改善薬の違い他~
睡眠薬を飲んで早朝覚醒を改善しようとしたとき、気をつけなければいけないことがあります。
まず薬を飲むと体から完全に抜けるまで時間がかかるということです。風邪薬や頭痛薬でも同じことが言えると思いますが、薬を飲んで効果を実感する時間は案外短いものですよね。
特に痛み止めの部類は薬を飲んでも効くまでに時間がかかり、効いたと思ったら薬が切れてまた痛み出すということがよくあります。
薬の効果がなくなっても薬の成分は体に残った状態になるので、連日薬を使用するときはそのことを意識しておきましょう。
特に中時間型、長時間型の睡眠薬の場合は薬の成分が体から排出されるまでは20時間~50時間くらいかかります。強い眠気はなくても頭がぼーっとしてフラフラしたり、集中できなかったりすることがあるので使うタイミングは気をつけてください。(特に車の運転やスポーツなどは避けた方がよいそうです。)
私がもらった睡眠薬は中時間型でしたが、薬を飲んでから2日くらいぼーっとした感じが続きました。この時は薬の成分が残っているとはあまり意識していなかったので、いま知って納得しています。
市販で買える睡眠薬(睡眠改善薬)で早朝覚醒を改善する
市販で手に入れることができるのは病院で処方される睡眠薬=睡眠導入剤とは異なり、睡眠改善薬と呼ばれるものです。
睡眠改善薬は風邪薬などを飲んだとき眠くなる作用を利用しています。そのため、寝つきをよくする作用は期待できますが、中途覚醒や早朝覚醒に対する効果は期待できないそうです。
まず、早朝覚醒を自覚するほど不眠症状が続いている場合は病院に行くことをおすすめします。
睡眠改善薬は一時的な不眠症状(3日より長く続かないもの)を改善するための薬なので、不眠症の改善には意味がないものであるということを覚えておきましょう。
睡眠薬を飲んでも早朝覚醒が起こるときには?
病院でもらった睡眠薬を飲んでも早朝覚醒で目が覚めてしまうという場合は、薬があっていないことが多いようです。
病院でもらった薬だからといって、全ての人の体質や症状に必ず効果があるわけではありません。
効果が得られない薬を飲み続けることは体の負担になるし、薬代もかさんでしまいます。「薬が合わない」「効果が得られない」ということをきちんと相談するのも大切なことです。同じ病院の先生には言いづらいということであれば、別の病院へ行ってみるのも一つの手段です。
早朝覚醒を薬に頼らずに改善するには
睡眠薬は依存性が高く、継続して使用していくと効果が出にくくなることもあります。睡眠薬がないと眠れないという状態にならないためには根本から原因を解決していくことが大切です。
早朝覚醒を薬に頼らずに改善する方法には、以下の方法があります。
カーテンを替える
夏場は特に朝日が昇るのが早いため、起床予定時刻より前に朝日が部屋に差し込んでくる場合もあると思います。
朝日は体内のリズムをリセットし、頭を覚醒させる作用があるありがたいものですが、早朝覚醒に悩む人にとってはあまりよいものではありません。
起床予定時刻まで朝日が入ってこない状態を作るため、遮光カーテンに変えてみましょう。
ただし、起床予定時刻になっても真っ暗なままになるので、寝坊しないように気をつけてください。
ウォーキングやジョギングなどの軽い運動をする
エネルギーの消費が少ないとその分休むこともできません。日中に軽くでも良いので運動しておくと睡眠の質をあげる手助けになります。
ウォーキングやジョギングなど一定のリズムで行うことができる運動が特におすすめです。
高照度光療法
夕方頃に2500ルクスの光を浴びることで体内時計のリズムを調整し、早朝覚醒を防ぐ方法です。専用の器具が必要な治療法になるため、高照度光療法をやっている病院をさがすとよいでしょう。
サプリメントに頼る
薬に頼るのは抵抗があってもサプリメントならという方も多いのではないでしょうか?
最近ではコンビニにも睡眠の質を高めるためのサプリメントが売られています。コンビニなどで買えるなら気軽に試せそうですよね。
早朝覚醒と睡眠薬まとめ
- 早朝覚醒は加齢やストレスが原因で起こり、加齢の場合は完全に避けるのは難しい
- 早朝覚醒改善のために睡眠薬を使用する場合は中時間、長時間型が望ましい
- 睡眠薬は麻酔のようなもので、強制的に意識を失うことで眠れるようにする薬
- 睡眠薬の成分が完全に体外に抜けるには時間がかかるので、日中にぼーっとしたり、集中力が低下したりする
- 睡眠薬を飲んでも早朝覚醒が起きてしまう場合は薬があっていない可能性が高い
- 市販の睡眠改善薬では早朝覚醒への効果は期待できない
- 睡眠薬を使用せずに早朝覚醒を改善するには、遮光カーテンに替える、適度に運動する、サプリメントを摂取するなどの方法がある
- 高照度光療法という光を浴びる方法があるが、専用の器具を使用する必要があるため、素人がやるのは非現実的